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2013年7月29日月曜日

PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 を使ってみた 12

 さてさて、PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0をまあ試しに使ってみようというこの企画、というか思いつきですが今回で最終回となります。というわけでちゃっちゃと進めていきますよー\(^o^)/
 前回までで図1のような形ができあがっています。残るは腕の作成ですが、まずは胴体中央から左右対称に腕の細い部分を作っていきます。ワークプレーンw3が胴体を左右対称に分断するようになっていますのでw3をそのまま使います。

図1 前回までのモデリング&今回最初のWP



 図2のように腕の断面円を作成します。胴体の上面から7.5mm、胴体の中央に直径5mm(半径2.5mm)の円を作成します。

図2 腕の細い部分の断面図


 腕が胴体からちょっとはみ出る程度に「プル直線」します(図3)。「操作」を形状追加、「方向」を両側にするのをお忘れ無く。

図3 細腕プル直線


 次は太腕の作成です。w2に平行なWPを作成して図4のようなスケッチを作成します。作成できたら長い方の縦線を中心に360°回転させます。
 
図4 太腕のプル回転


 同様に反対側もモデリングしますと図5のようになります。形としてはこれで完成です!

図5 完成!!!


 さて、めでたくできあがったのですが、なんかちょっと違うような...そうですね、色が本物はグリーンですよね、ということでできあがったパーツの色を変えてみましょう。図6ではリボンUIから選択していますが、右側の構造一覧のパーツを右クリック>「パーツプロパティ」でも同じことができます。「表示」の「パーツ色」を緑色に変更してみますと、できあがりが図7のようになります。

図6 パーツの色を変更する

図7 パーツの色を変更してみた



 はい、これにてモデリング完了!グリグリ回してみて変な部分がないか確認して下さい(図8)。


図8 ちょっと視点を変えて...良い感じです


 さて如何だったでしょうか?素直な曲面ばかりだったので思ったよりカンタンにモデリングできちゃったのではないでしょうか?その調子でどんどん色んなモノをつくって3Dプリンタなどで実体化しちゃって下さい。また、今回作成したデータをホームページにアップロードしておきました。CreoElementsのセッションのデータは、意味不明だったところの確認などに(Ctrl+Zなどで手順を戻せるはずです)、STLやVRMLのデータもありますのでそのままプリントしてみるなり、データ加工の材料なりにお使い下さい。あ、ホームページにも書いてありますが、このデータを使って被った被害などについては自己責任でお願いします。データが変だぜ!みたいなのは教えて頂けると助かります。それではまた近いうちに別の企画でお目にかかれればハッピーです、お付き合いありがとうございましたーm(_ _)m

2013年7月16日火曜日

PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 を使ってみた 08

 流石にエアコン無しでは厳しい暑さになってまいりました...それでも湿度が低いからか日陰&風が吹いている場所は意外に涼しいような気もしますが気のせいかも知れません...さて、それではいよいよ(ようやく)ウワサのあいつのモデリングをはじめようと思います。そういえば、やつは日本では「ドロイド」とか「ドロイドくん」とか「アンドロイド」とか「アンドロイドのロボ」とか好き放題に呼ばれていますが、それもそのはず、正式名称は存在しないんだとか...BugDroidとかGoddieとかいう説もありましたがそれも違うようですね。少なくともどう呼んでもGoogleさんに怒られることはなさそうですw
 それでは前回の続きから作業を続けたいと思います。あ、前回言っておけよ、と怒られる気もしますが(-_-; メニュー「ファイル」「保存」から「ファイル タイプ」を「セッション(*.se2)」を選んで保存しておくと、前回の作業内容を保存しておくことができます。これをテンプレート的に使うのも便利かと思います。

図0. 前回までの画面


 では、今度こそ.....まずは胴体からモデリングをしていきます(図1)。正面からみたWP(w2)をアクティブにして(左の構造一覧ツリーでw2を右クリック→アクティブ化)、「作図」>「直線/円弧」を選び、原点をクリックします。この状態でカーソルを動かすと線が引けるわけですが、デフォルトの設定だと1mm毎しか長さを指定できないので、線を引く方向にカーソルを動かし、その状態で下のウインドウに長さを指定します(原点をクリックした時点でキーボードから数字を入力しようとすればそのまま入力できます)。今回は直径45mmなので、その半分(回転させるので半径分)の22.5mmを入力してEnterキーを押します。

図1. 胴体を正面から見た断面図を描く(1)


 今度は縦に直線を伸ばしていきますが、続けてさっき引いた直線の終点から直線が引けるようになっているので、先ほどと同様に縦方向にカーソルを動かして39mmの縦線を引きます。今回は切りの良い数字なので横に出る長さを見ながらでもOKです。

図2. 胴体を正面から見た断面図を描く(2)



 以下、同様に、ぐるっと1周回って長方形になるように線を引いていきます。原点まで辿り着くと一周回ったということで連続で直線を引くモードが終わるので、続けて直線を描く場合はまた始点をクリックする所からはじまります。今回は一旦ここまでなので完了ボタンを押してコマンドを完了させます。

図3. 胴体を正面から見た断面図を描く(3)



 続けまして、胴体の下部分の丸くなっている部分を作図します(図4)。角のモデリングの時は円を描いて不要な部分をトリムしましたが、今回は「2Dフィレット作成」コマンドを使用します。「作図」 > 「2Dフィレット作成」を選択し、フィレットしたい角の頂点をクリック、ウインドウの半径を8mmで設定してEnterキー > 完了します(図5)。

図4. 2Dフィレットで角を丸める

図5. フィレット完成図


 次はこれを回転させます。回転は角のモデリングでやりましたのでちゃちゃっと行きます。回転軸と回転角度を設定してGO!です。

図6. 「プル回転」

図7. 「プル回転」 完成図


 次は首の部分を引っ張ります。胴体の上面から続けてモデリングしますので、胴体上面にWPを作成していきます。「新規」 > 「ワークプレーン」を選ぶとウインドウが出てきますので、「面に平行」をクリック、さらに下に「面に平行」の設定ウインドウが出てきてWPを作成する平面を選択するようになっていますので、胴体上面のどこかをクリックします(図8.)。

図8. 首のワークプレーンを作成する(1)


このままWPを作成しても良いのですが、折角なのでWPの原点を分かりやすい所、胴体上面の円の中心に設定したいと思います(図9)。下のウインドウの「原点移動」をクリックして、円の中心をクリックすると緑の矢印と円が原点に移動しますので、そのまま完了ボタンを押します(図10)。

図9. 首のワークプレーンを作成する(2)

図10. 首のワークプレーン完成!


 それでは今回の最後に、首を引っ張りたいと思います(図11)。w4上に半径20.5mmの円を描いたら、「プル直線」 > 「距離」 3.5mm > 完了 でOKです。

図11. 胴体から首まで完成!


さて、これでプル直線もプル回転もばっちりですね!次回は頭のモデリングです。目と角のWP作成がキモです、お楽しみに!


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2013年7月12日金曜日

PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 を使ってみた 07

 さて、まあとりあえずフリーの3Dモデリングソフト(CADという言い方はちょっと違う気がしますので)「Creo Elements / Direct Modeling Express4.0」を触ってみようということで見切り発車したわけですが.....なんやかんやで途中手を抜きw 間隔が空きながらも7回目に突入していきます。ここまで触ってきた感想ですが、「機能・概念が3DCADとはちょっと違うが、慣れれば&用途を(いわゆる設計には向いてないのでモデリングに)絞れば割と使いやすい」「CADも3D系のソフトも使ったことの無い、はじめての人には、深く考えずにテキトーに触ってもまあまあ形をつくりやすい」「3Dプリンタって楽しそうだけど3DCADなんか使ったことねぇよ、でもなんか作ったりしてみたい、って人にぴったり」かなぁ、と。Autodeskさんの123Dだっけ?も似たような辺りを狙っている簡易版モデリングソフトって位置付けなのだろうけれど、そっちも触ってみたいなぁ。123Dの強みはあのシリーズの周辺ソフトが色々あるってことになるのでしょう、写真からモデル作成するソフトとか、最近3Dプリンタ用のプリプロセスアプリみたいなのを発表してたので、トータルで見ると、操作性の統一感とか考えると、Autodeskさん一歩リード感があります。モデリングソフト単体としての比較は123Dを触ってみてから考えるとします。
 と、なんかネガティブ発言っぽく見えますが、実は僕自身はこのCreo Expressを大変気に入っています。元々PTCさんのソフトを使ってたってのもありますが、今使ってるCADからExpressじゃない方のCreoに乗り換えても良いんじゃ無いだろうかとさえ思っています。普通のCreoの方はちゃんとCADとしての機能もあるらしいので、CAD+モデリングソフトがワンパッケージでシームレスなら願ったり叶ったりです、体験版とかあればこっちも使ってみようと思ってます。
 さて、冒頭からの閑話は休題にしておいて、例によってやつ(図0.)のモデリングをはじめたいと思います。
図0. やつ



 と言っておきながら、もう一つだけ回り道を。今回は何枚もワークプレーン(WP)を使うことになると思いますので、WPの操作などを一通りやっておきたいと思います。まずは起動時の画面(図1.)を見てみましょう。初期WPのw1を右斜め下方向から見下ろしたビュー(「ビュー」>「ビューイング」>「斜投影」と選ぶとこのビューを選択できます)になっています。w1はx-y平面上にありますからw1にフィットするとちょうどz軸の先、モデルを見下ろす方向から見る感じになります。この上から目線をトップビューとか呼んだりしますが、その他正面から見たフロントビュー、横から見たサイドビューなどがあります。これらに相当するWPを作成してみようと思います。

図1. 起動時のビュー、座標



 まずは、「Modeling」 > 「ワークプレーン」 から、ウインドウの中の 「ワールド系原点」をクリックします。(図2.)

図2. 原点位置にワークプレーンをつくる



すると、原点付近にWP移動用の謎の装置w が出現します。私の環境だとウインドウの下に隠れて出てきましたので、適宜ビューを変更して下さい。まずは6本の矢印について、これらをドラッグするとx,y,zそれぞれの軸のプラス方向、マイナス方向にWPを平行移動させることができます(図3.)。
今回はそれぞれの原点が一致するような3つのPWを作成しますので、平行移動はさせないでOKです。あ、図の平行の字が間違ってますね(T_T)堅いことは言いっこ無しで気にせず進みますw

図3. 新規WPの平行移動



この謎の装置(w)には6つの矢印の他に、3つのホイールがついています。このホイールのバーの部分をドラッグすると、ハンドルが乗っている平面を回転させることができます(図4.)

図4. 新規WPの回転



 それでは正面方向を向いたWPを作成します。今回の新規ワークプレーンは初期状態ではw1と一致していますので、それを正面に向けるためにx軸を中心に回転させましょう。寝ている平面がぐっと起き上がってくるイメージで回転させます。角度は下のWPに垂直になるようにしますので90°になるところまでドラッグして指を離します。まだ確定ではないので、ウインドウや装置wの表示が90になっていない場合は同じようにホイールをドラッグするか、ウインドウの数値を直接触って90°回転させるようにします。設定ができたらいつものように完了のボタンを押してWPを完成させます(図5.)。

図5. 正面方向を向いたWP作成



 次に右横から見たWPを作成します(左から見たWPが良い!という人もいるんでしょうか?普通は右横から見た図にしますし、何より何故かWPの原点が右下に寄っているので、WPを作成した後の見栄えも右横からの方が良いので左横派は今回は遠慮しておいて下さいw あ、そういえばWPの原点位置もどこかで設定できた気がしますので原点はWPの中心じゃないと!という原理主義派(私含む)も安心ですw)。 今回は一回回転させただけでは右横からのWPになりませんので、二回回転させます。1回目の回転はz軸を中心に90°回転させます(図6.)。

図6. 右横方向を向いたWPの作成(1)



そのまま、完了ボタンは押さずに、今度はy軸回転ホイールのバーをつかんで90°回転させます(図7.)。忘れずに完了ボタンを押してWP作成を完了して下さい。

図7. 右方向を向いたWPの作成(2)



 以上でそれぞれの原点が一致する、正面、右側面、上面の3枚のWPが完成しました(図8.)。WP左下のWP名が読める方向がそれぞれのWPの正面になります。視点を動かして正しく作成できているか確かめてみて下さい。また、操作可能なWPの状態をアクティブと呼び、画面左のリストからWPを右クリック > アクティブ化で操作するWPを選ぶことができます。最初の方でやった「カレントWP&フィット」もアクティブなWPに対して行われます。アクティブとカレントで用語が被ってるのがきになりますが、まあ大体同じ意味でしょうw

図8. 完成図をアクティブWPの変更


 それでは今回はこの辺で。またモデリングに入れなかった...orz 次回こそあの緑のやつを実体化させましょう!


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2013年7月10日水曜日

PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 を使ってみた 06

 えっと前回、「次から本体のモデリングするね!」って言っちゃったんですが、角をもう一本別の方法で、っていうのをすっかり忘れていましたので、先にそちらをやっちゃおうと思います。モデリング本番は次からということでごめんなさいでしたm(_ _)m さて、では気を取り直しまして前回では「プル直線」(=押し出し)コマンドを使って、ワークプレーン(=WP)上に描いた平面図を3次元に引っ張ってモデリングしました(図0.)。

図0. 前回モデリングした ドロイドくんの角


 今回は「プル回転」というコマンドを使ってモデリングをしていきます。文字通り、WP上の平面図を回転させて、その図が通った領域を立体化していきます。そのため、「どの図を回転させるのか」と「何処を中心に回転させるのか(回転軸)」と「どれくらい回転させるのか(角度)」を指定する必要があります。
 それでは作業を進めていきましょう。まずは画面右上、「新規」>「ワークプレーン」を押して新しいWPを作成します(図1.)。今回はそのまま完了ボタンを押して下さい。最初からあったWPのw1に重なったw2というWPが作成されると思います。

図1. 新しいワークプレーンを作成する

 
 続けて、「作図」>「長方形」を選択し、カーソル右下に表示される座標を見ながら、前回「プル直線」で作成したモデルの左横、座標(-5,0)の位置にカーソルを合わせてクリックします。(図2.)

図2. 長方形を作成する(1)


そのままカーソルを左上に移動させて、縦8.5mm、横0.5mmになる所でクリック(図3.) 、黒実線で長方形が描かれたら完了ボタンを押してコマンドを完了します。(図4.) 

図3. 長方形を作図する(2)

図4. 長方形完成!


 長方形は書けましたが、このまま回転させると前回のように先端が丸くない形状になっちゃいますので、あらかじめ断面図を丸くしておいてから回転させようと思います。「作図」>「円」を選択し、先ほど描いた長方形の右上の点から0.5mm下をクリックします(図5.)。座標を見て(-5,8)の地点を選んでも良いですし、先に右上の頂点にカーソルを合わせると、図5.のようにそこからの相対位置を表示してくれますのでそれを見ながら場所を探してもどちらでもOKです。

図5.円を描く(1)


そのままカーソルを右に動かすと円の大きさを設定できるので、半径が0.5mmになる位置でクリック→完了します。(図6.) 今回は左側の縦線に重なるようにカーソルを動かしてクリックするのがカンタンです。

図6. 円を描く(2)


 次は不要な部分をトリム(切り取り)していきます(図7.)。 「2D編集」→「トリム」を選択して、まずは長方形からはみ出した円の右側をクリックします。クリックした線が他の線との交点の部分までで切り取られました。同様に長方形の上辺と、左側の線の上の部分で円の外側の部分、円の左下半分の3カ所をトリムして図8.のような図を作成します。

図7. 不要な部分をトリムする

図8. トリム完成!


 断面図が完成しましたので、「モデル」>「プル回転」を使って立体化します(図9.)。 右側の縦線でクリックして回転軸を選択し、「プル」ウインドウの下の方の「角度」に360を入力して完了を押す(図10.)とモデルが完成します(図11.)。

図9. プル回転(1) 回転軸の選択

図10. プル回転(2) 回転角度の設定

図11.


 これで(角度が違いますが)二通りの方法でドロイドくんの角のモデリングができました。世の中のシンプルな形状はこの2種類のプルを駆使すれば作れてしまうくらい基本かつ奥義wみたいなものですし、呼び方は違えど他の3DCAD・モデリングソフトにも必ず入っている機能なので是非モノにして下さい。
 それでは次回から、今度こそモデリング本番を進めて行きたいと思います。それではまたーm(_ _)m


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PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 を使ってみた 05

 ちょっとパソコンから離れまして、3Dデータの元になるフィギュアの寸法を測ってみました。次回からこれを元にモデリングを進めていきますよー。

図1. ドロイドくんフィギュア寸法図


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2013年7月8日月曜日

PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 を使ってみた 04

 さて、PTCさんの無料モデリングツール(3DCADのお手軽版?)PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0を使ってみているわけですが、今回から実際にモデリングの作業をしていきたいと思います。三角とか四角とかだけだと面白くないので、ちょうど手元にあって割と簡単な形をしてそうなこいつ(図0.)を作ってみたいと思います。


図0. モデルのドロイドくんフィギュア


 さて、ドロイドくんに関しては説明は不要かと思いますが、このドロイドくんの権利関係に関して、著作権(?)は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でGoogleさんから使用を許されているものらしいので、ドロイドくんだと判別できるようになったらどこかにその旨を記載しないとダメっぽいです、CCマークとby-Googleとでも描いておけば大丈夫なのかな...3Dデータなのでどこかに掘っておきましょうか。


 さて、細かい心配事は形ができあがるまでに解決するとして、早速モデリングをしていこうと思います。まずは準備体操がてら、単純な部分を作っていきましょう。まずはこの角?アンテナ?ぴょんと飛び出てるこいつからいきましょう。ノギスで角の長さを測定しますと、直径約1mm、長さ8.5mm、先端は丸く半球状になっています。さてどうやって作っていこうか考えるわけですが、まずは断面をまっすぐ伸ばす(=プル、3DCADでは押し出しが一般的かな?)方法でやってみたいと思います。


 まずは断面の円をワークプレーンに描いていきます(図1)。線を描くコマンドはリボンUIの「作図」にまとまっていますから、この中から「円(中心&半径)」を選んで、今回は原点に円を描きます。カーソル位置の座標がカーソル右下にでますので、原点にカーソルを合わせてクリックします。

図1. 断面の円を描く



次にそのままカーソルを動かすと最初のクリック地点からの距離が半径になるので、円の大きさを選んでもう一度クリックします。描画のコマンド使用中も拡大縮小や視点の移動などが可能なので、分かりやすい大きさ、方向になるように変更しながら進めると分かりやすいと思います。(図2.)

図2. 半径の設定



円が描けたら右下に表示されている緑色の完了ボタンを押してコマンド終了です。(図3.)
各コマンドは完了ボタンを押して完了になる物が多そうなので何か作業が終わったら完了ボタンが
出ていないか確認して、確実にコマンドを完了させて下さい。コマンドを完了させずにESCとか押すと直前の作業が消えてしまうかもしれませんToT 逆にいうと完了ボタンを押さなければすぐに戻れる(押してしまってもCtrl+Zがありますけど)のでガンガン色々なことを試してみて下さい。

図3. コマンドを完了する



 では次にいよいよ立体を作ってみることにしましょう。今描いた円は言うまでもなく2Dの物です。モデリングツールの多くは2Dのデータ(平面図など)から3Dの立体データを作っていきますが、これから行う「プル」はそのなかでも最も一般的な手法の一つです、3DCADなどでは押し出しという方が一般的かと思いますが、名前の違いだけで同じ物だと思ってOKでしょう。というわけでリボンUIの「モデル」の中から「プル直線」を選んでみましょう(図4.)

図4. 直線方向に引き出す(プル)



コマンドウインドウが開き、ワークプレーン上の図形の色が変わります。また、図形上に引っ張る方向の矢印アイコンが登場します。このアイコンをマウスで操作したり、ウインドウの中のパラメータを
入力したりして設定を変更していきます。それでは矢印アイコンをドラッグしてみましょう。(図5.)
 
図5. 「プル直線」の設定(1)



ドラッグするとその方向にワークプレーン上の図形の図形が伸びていきますので、長さを見ながら設定したい長さまでドラッグして、完了ボタンを押します。コマンドのウインドウにも完了ボタンがありますがどちらを押しても構いません。また、コマンドのウインドウに直接パラメータを打ち込んでもOKです。(図6.)

図6. 「プル直線」の設定(2)



 さて、これで立体はできあがりましたが、このままだと実際の形状と違って先端が平たいので、その部分を丸く削りたいと思います。削る方法もいくつかありますが、今回は「一定半径ブレンド作成」と言うコマンドを使いたいと思います。3DCADではフィレット、角Rとか言ったりします。モデルのエッジをベースに材料を削ったり盛ったりするコマンドです。
 リボンUIの「加工」から「一定半径ブレンド作成」を選択、カットしたい部分のエッジ(今回は一番上)をクリックします(図7.)

図7. 「一定半径ブレンド作成」(1)



エッジを選択すると、「プル直線」の時のように矢印アイコンがでますので、同じようにドラッグしてブレンドする半径を設定するか、コマンドウインドウの半径の値を直接入力します。今回は半径0.5mmの円柱なので0.5mm以上だとコマンドが失敗してしまいます。0.5mm未満でなるべく大きな値(今回は0.49mm)にしてなるべく半球に近づけたいと思います。半径を設定したら忘れずに完了ボタンを押して下さい。

図8. 「一定半径ブレンド作成」(2)



 これで角の形状が完成しました(図9.)。こんな感じで、ワークプレーンの図を3次元の世界に引っ張ってきて立体を作っていきます。とりあえず今回はここまで。次回はちょっと違う方法で立体化をして(ほぼ)同じモデルを作成してみようと思います。


図9. 完成図


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