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2013年9月3日火曜日

シェル - 3Dプリンタのための PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 Tips 03

 今回はシェルです。本来の使い方とは違う気もしないではないですが...シェルは多分貝殻のことで、貝殻の様に内側をくり抜くために使います。簡単な形状なら空の部分だけモデリングすればいいのですが、複雑な形状になってくるとシェルが便利です、が今回は単純な形状でやりますw適当に2個の円柱を作ってみました。

図1 今回の食材


 では早速、「Modeling」→「モデル」の右上の赤い四角がくり抜かれているアイコンがシェルコマンドのアイコンです。ポチっとして子ウィンドウが出ましたら、「オフセット」(パーツに残す部分の肉厚)と、「開く面」(ごっそり切り取ってしまう面)を設定します。プラモデルの部品を思い浮かべると分かりやすいと思いますが、パーツ同士をくっつけて内側に来る面が「開く面」に相当します。

図2 「シェル」の設定


 これで図3の様に内側がごっそりくり抜かれて開いた面から内側が見えるような形状になります。

図3 「シェル」完了!


 さらにもう1個の円柱を、今度は面を開かずにシェルしてみましょう。3Dプリンタではモデル材が多ければその分コストに跳ね返ってきますので、不要な内側の材料は省略したいところです。シェルを上手く使えば外側の形状はそのままに内側を空洞にして材料費カット!ができたりします。ただし調子に乗りすぎると強度が不足したりしてプリントできない、できてもすぐに壊れた!なんてことも起こり得るので程ほどにしておいて下さい。あ、モデル材とサポート材を使うような機種ではシェルした部分にモデル材が充填されるような気がしますのであしからず。まあ普通はサポート材はモデル材より隙間を空けてプリントされる気もするので若干の節約には成る気はします。
 さて、実際の操作ですが、もう一方のパーツを選択して、「開く面」のチェックを外せばOK!(図4)

図4 面を開かないシェルの設定


 内側に空洞がありますよー、ってなメッセージが出てきますが無視!閉じます。

図5 無視!無視!


 さて、これで上手くいったはずですが...モデルの内側なのでどうなったか見えません...そこで、「ビュー」→「表示」の「3D隠線のオン/オフ」の選択を外す、もしくはF4を押してと3D隠線の表示のオン/オフを変更しましょう。モデルの内側じゃなくても、回転させるの面倒だというときもこれで見えない部分が見えるようになりますね。

図6 透視!透視!


 というわけで、3Dプリンタに限らず何かと便利な「シェル」コマンドでしたー。プリンタによっては内側の空洞がある物はプリントできねぇよ!とかいうものもあるかも知れませんのであしからず。また3Dプリンタのソフトによっては、プリントする際のモデル材の隙間を多くするなどしてモデル材を節約するモードなどがあったりしますのでそちらも確認して地球にやさしいプリントを心がけて下さいm(_ _)m というかモデル材もそんなに安くないですしね...お財布にもやさしくして上げて下さいw

2013年8月30日金曜日

パーツの複製&パターン - 3Dプリンタのための PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 Tips 02

 そんなこんなで3Dプリンタを使う際に役立ちそうなネタを紹介するコーナーをはじめてみたわけですが、今回は2回目! 同じ部品を何個かプリントする時に使えそうな小ネタで複製とパターンを紹介したいと思います。これもおそらく多くの3Dプリンタ用のプリプロセスソフトの機能に同じパーツを並べてプリントするというものがあると思うのですが、私の使っていたDimensionという機械の機能が若干不便だったのですでにパーツを並べたSTLをつくってそれをプリントしていたのです。というわけで「複製」と「パターン」機能を使って部品をズラッと並べてみましょう。あ、部品のデータは前回に引き続きこちらの螺旋状のなにかを使っています。

 まずは複製からー。「構造」→「パーツ&アセンブリ」→「複写」を選択、「元」が複製元の選択部分なのでこれをクリックして複製したい部品をクリックします。するといつものあいつが現れますので、
複製を作成したい方向の矢印をドラッグして、距離のパラメータを見ながら複製パーツを配置したい場所まで持っていきます。これで複製完了です。カンタンですね。

図1 「複製」コマンド(1)

図2 「複製」コマンド(2)

 さて、「複製」コマンドを使って同じ部品を増やすことができたわけですが、もっと沢山つくりたい!といった時に1個1個これをやっていたのでは日が暮れてしまいますので、そんな時に便利な機能として「パターン」があります。パターンを使うと等間隔に部品を1列に並べたり、グリッド状に部品を並べたりすることができます。まずは一直線にパーツを並べる方法です。Creo Elementsでは「線形」という呼び方をしていますね。
 まずは「集合体」→「パターン」→「新規」を選んで複製したいパーツを選択します。また「元」の所ですね。次に「方向」をクリックして、WPの周辺にカーソルを持っていくと、今度は別の方向を指示する矢印が出てきますので、この状態でクリックします。すると色がオレンジ色に変わってその位置で矢印が固定されるので、今度はパターンを作成したい方向の矢印を1本クリックします。

図3 「パターン」パーツ選択と方向選択

 次に、パターンを作成したい「個数」と複製パーツ間の「距離」をしていします。「個数」は元パーツも含めた個数になります。

図4 「パターン」の個数と距離


 さらに、パーツをグリッド状に並べたい場合は、「タイプ」を「線形グリッド」に変更し、2方向分のパラメータを設定すると図5の様に2方向にグリッド状に広がるパターンを作成できます。これでSTLデータを作成するとまとめてプリント可能になるはずです。

図5 「パターン」線形グリッド

 あ!お約束ですが、3Dプリンタによってはこの方法が使えない場合もあるかも知れませんので、自己責任でよろしくお願いします!m(_ _)mというわけでまた次回~しーゆー\(^o^)/




2013年8月29日木曜日

拡大縮小 - 3Dプリンタのための PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0 Tips 01

 近頃は巷で3Dプリンタってものが流行ってるらしいじゃねぇか、じゃあ俺も一発やってみるか!みたいに落語の登場人物のようなノリで3Dプリンタを買ってみたものの、3DCADの使い方なんかわからねぇよ!って方々のために「PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0」が(フリーソフトでは)いいんじゃね?というスタンスなのですが、「まあでも複雑な物はつくりにくいよね」とか「3DCADを上手く簡略化してるけど便利な機能も消えてるよね」とか文句だけは言ってて、じゃあ実用的かつ入門的にCreoElementsを使いこなすにはどうするのか?って考えた時に、「ネットに転がっているデータを3Dプリンタで出力する前にちょこっと弄りたい」ってニーズは少なからずあるんじゃ無いか?と思い立ちまして、そんな方向からのTipsをまとめてみようと思いました。

 まずは3Dデータのお話から。3Dプリンタで出力するために一般的なのは「STL」(拡張子.stl)というファイルです。「STL」は「Standard Triangulated Language」の略で、米3D Systems社が開発したフォーマットで元々が光造形によるラピッドプロトタイピングシステムで使用するための物らしいです。名前の通り三角形で立体を表現するフォーマットなので製造用には(適切な精度であれば)良いのですが、3DCADでデータを弄ろうと思うと苦しい場面が出てきます。製造の現場では(異なる環境間での)データのやりとりはIGES(アイジス、アイジェス 拡張子.iges .igs)が主流の様です(特に自動車業界)。ただ、IGESはソフト毎にデータの扱いが異なる部分が多いらしくデータが化けることがあったりします&私の個人的な感情も踏まえて、このサイトで扱うデータはSTEP(ステップ 拡張子.step .stp)という形式を使いたいと思います。※3Dデータのフォーマットについて細かく言い出すとキリが無いので詳しくはググって下さいw
 
 と、前置きはこれぐらいにして、ネット上で落ちていた3Dデータを拾ってきたけどうちの3Dプリンタで出力するにはちょっと大きい/小さいぞ?どうしよう?という状況に陥ったとします。拾ってきたデータは下図のような螺旋状の物体ということにします。

図1 螺旋的な物体


そんな時は、図2 「Modeling」→「3D編集」→「その他」→「拡大縮小」を選択して...

図2 この辺にあります


ウィンドウが出てきたら、①「パーツ」を選択して、拡大縮小したいオブジェクトをクリックします。次に「縮尺」パラメータを、大きくしたい→ 1~、小さくしたい→ 0~1で設定します。まずは半分に縮小してみましょうか、0.5と入力して完了ボタンをクリックします。

図3. 「拡大縮小」設定


はい、小さくなりましたー\(^o^)/ 逆に大きくしたい場合はたとえば1.5倍に拡大すると...図5のようになります\(^o^)/

図4 小さくなっちゃった!

図5 大きくなっちゃった!


 拡大縮小の時に図6のようなご確認が出ることがありますが、「はい」で大丈夫かと思います。特に3Dプリンタで出力する場合はこの後STLで出力し直しますので特に問題は無いでしょう。

図6 ご確認


 というわけで、作業が終わったら「ファイル」→「保存」を選び、ファイルタイプを「STL」にして保存すれば拡大縮小したものを3Dプリンタで出力できるようになります。まあ拡大縮小くらいなら3Dプリンタのソフトに機能があったりする気がしますがw 次は同じ部品を一度に出力するために部品を並べたりしてみましょうか?しーゆー\(^o^)/